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小学校低学年の送り迎えについて

私は小学生になれば、子供の送り迎えをする必要がなくなり少しずつ親離れして、やっと親も自分の仕事や趣味などに本格的にシフト出来るだろうと思っていました。小学校入学前には、通学路を何度も往復して通学の練習をしました。うちの息子は道を確認せずに横切ったりするあぶなっかしい子でしたので、小学校までの12分間の道のりは心配で、注意点を確認しながら通学の練習をしました。しかし結局、小学2年生になった現在も毎日、親と一緒に通っているのです。

一緒に通うことになった理由

私としても通学は心配ではあるのですが、もちろん一人で往復してくれることに越したことは無いと思います。ただ、うちの息子は、まだ一人で行きたくないというのです。理由を聞くと、「こわいから!」ということです。通学路にあるコンビニエンスストアの前にはいつも怖いおじさんがしゃがんでいることが多く、その人も怖いし、一人歩きが怖いというのです。

実は私たち家族はブラジルのサンパウロ市に3年間住んでいたのですが、息子はその頃2歳で、サンパウロ市は非常に危険な地域だったため、誘拐も多くとても注意深く過ごしました。住んでいた3年の間に、近くのショッピングセンターで子供の誘拐があったり近所にあった幼稚園でも誘拐未遂ありました。またブラジルで習っていたポルトガル語の先生の息子さんは、すでに成人していましたが誘拐されたことがあったそうです。先生自身は何度か危険な目にあっていて、レッスンの日の前日には首にしていた金のネックレスを引っ張り切られて盗まれたり、何人もの親しい日本人の方々もスリに合うなど危険な目にあっていました。そんな地域柄、日本人だけではなく現地の子供たちも、基本的には中学生位までは親が送り迎えをすることになっていて、スクールバスの停留所まで親か、もしくはベビーシッターさんが迎えに行くのです。友達の家に行くのも親かべビーシッターが車などで送り迎えをして、必ず保護者がついていっていました。それだけではなく、マンションには門番が駐在していて、その門番が、子供だと鍵を開錠してくれないので外に出られないのです。

そんな環境の中でしたので、サンパウロの現地の幼稚園まで2ブロック(約150mほど)行く際も、しっかりと手をつないで道を歩くように毎回毎回きつく言っていました。その2ブロックの間にも、道端に浮浪者や怪しげな人が座っていることがよくあったので「見ちゃダメよ!」といいながら避けて歩いたりして気をつけて素早く歩かせました。一人で自由に歩きたい、ママと手をつなぎたくない!と主張する時期でしたので、口を酸っぱくして「絶対手を離しちゃだめだよ!誘拐されたら二度とママに会えないからね。」とよく言い聞かせたものです。

そして、日本に帰国してから2年半ほど経つのですが、日本は安全だから友達と一緒に帰ってきたら大丈夫だよと言っても、道を一人歩きすると言うこと自体がちょっとまだ不安なのです。それでも自立させようと親が突き放して「一人で行きなさい!そのうち慣れるから!」と言っても良いのかもしれませんが、私としてはそういった幼少期の経験があったということもあり、心の不安を持ったままの状態で学校通いをさせるのは、精神的には良くないのではないだろう、学校に行きたくなくなるのではないか、と考えて、子供が「ママ、もう来なくていいよ!」と言うまでは一緒に行くことに決めました。過保護すぎるとお思いの方もいらっしゃると思いますが、優しく見守ってあげる方がうちの子には良いのではないかと感じてそのように決めました。私のほうから節目節目に「ここまで一緒に行くから、ここからは一人で行ってみようか。」「ここで待ち合わせして一緒に帰ろうか。」と、子供の様子を見ながら、途中まで迎えに行くなどして慣れさせるように試みながら日々送り迎えしています。

一緒に往復するときに改めて感じるメリット

一緒に通うと、意外と多くのメリットがあることが分かりました。下記は私がメリットに感じたことです。

①学校の授業の様子をよく聞けます。クラスメイトの話、担任の先生や専任の先生の話、今日あったことなどを聞くことができます。面白かったのは、担任の先生がたまたま帰り時刻に用事があったようで通学路を一緒に歩いたときのことでした。息子は担任の先生をみつけるやいなや、ピタッと先生にくっつくと、手を握り、繋いで歩きだしました。もともと担任の先生の事が好きと聞いていましたが、ほんとに大好きなんだなと改めて分かりました。

②友達と一緒に帰るとき、仲の良い友達が分かったり、友達との会話などを聞くことができます。最近はコロナ禍ということもあって気楽に自宅に友達を呼ぶということが出来ません。そんな中、帰り道いっしょに帰ると、友達との関わり方を見ることができ、人間性や性格など自分の子供の知らない一面を発見することが出来ました。例えば一緒に係をしている友達と、こういう風にしようよ!ああいう風にした方がいいよ!と相談をしながら歩いていました。友達の方からも、自分の息子について話してくれたりするので、とても面白いです。基本は友達との会話には口を挟まないように前か後ろから付いて行くのですが、友達の方からよく話かけてきてくれます。

危険から守ることができます。 役所の情報メールから、小学生が道で声をかけられた、つきまとわれた、体を触られたといったなどといった報告が入ってきます。日本は安全だといってもやはり犯罪が無いというわけではなく身近で怖い思いをしている子供がいます。先ほどお伝えしたサンパウロほどではないにしろ、海外では保護者が付き添うという国が多いようです。また交通事故からも一緒にいることで守ることが出来ます。

健康的になります。時間があるときは送りの後、そのままちょっとしたジョギングをして1時間後ぐらいに戻るようにしています。健康のために、子供の送りをきっかけに運動をプラスすると、一日のペースを整えることが出来ます。

どのくらいの親が送迎しているか

さて、うちの小学校には実際どのぐらいの人数の親が送迎しているのか大体の割合を書き出しました。

①入学式が終わり翌日 半分~3分の1位

②入学式1ヵ月後 10%位

③一年生の最後のあたり 2%~4%位

大体ですが、このくらいだと思います。毎日来る方もいれば送りはするけど迎えには行かないとか、その逆もありますし、毎日ではなく、風が強い日や子供にお願いされたときだけ送迎するといった方もいらっしゃいます。また学年によっても差があるようで、次に入ってきた1年生の送迎はうちの学年よりも減るペースが速いように思いました。また3年生以上のお子さんにも付き添って来ている親もチラホラいます。

小学校5.6年生を見ると、もうほとんど立派な大人のように見えるお子さんも多くいます。毎日1~6年生の子供たちを見ていると、本当に小さな子供の時期は短いんだなぁと感じます。低学年はまだ手も小さくて、その小さな手の温かさやぬくもりを感じながら手を繋いで歩く学校までの往復の時間はあと少しなんだと毎日しみじみ感じます。手を繋いで欲しがるのもあと少しかもしれません。今のこの貴重な時期を噛みしめていつまでも忘れないように記憶に残しておきたいと思います。